何よりも大切なのは、“その人らしく”生活できるようにサポートすることです。
心身機能の維持・向上やQOLの向上を図り、環境調整なども行います。
歩行練習などの身体機能・ADL訓練、集団活動を活用した“楽しみ活動”と“しごと的活動”、茶話会などで対人交流の機会を作るなど、様々な活動を用いて生活をサポートしています。
患者様の状態に合わせた身体機能訓練手技などの技術講習会や、実習指導・院外研修を通じて勉強会を行っています。
また、認知症ケア専門士の取得など幅広い知識の習得を目指しています。
全作業療法士が連携して身体機能訓練やグループ活動を行っているため、日常的に患者様の状態についての情報交換や今後の方針などを話し合っています。
仕事で中心となるのが、50~60人を対象とした大集団活動、5~10人を対象とした小集団活動などの集団活動です。
内容はレクリエーション体操、創作、音楽、園芸など様々です。
集団活動の他にも個人を対象とした身体機能訓練(歩行訓練、トイレ動作練習、関節可動域訓練)も行っています。
また、お花見や夏祭りなどのイベントもあり、幅広く仕事をしています。
始めはとまどいもありましたが、スタッフが一団となり協力すること、そして自分自身の考え方を広げることができることなど、メリットが多くとても充実しています。
ここで働かせていただいて、“人と人との関わり”が本当に大切だと実感しました。
もちろん患者様との関わりもそうですが、ご家族、病棟スタッフ、など年齢も様々、職種も様々、生い立ちも様々の人が関わりあって関係が成り立っています。
そしてその中に私も存在している、ということを忘れずに業務に当たっています。
「必要な方に必要なことをする」当たり前のことですが、その方に合わせたアプローチが難しく、どれがその方にとってベストなのかを試行錯誤し、日々考えながら仕事をしています。
作業療法士の養成校における実習が縁で飯能老年病センターに入職させていただくことになりました。
当時、私の知っていた多くの病院は『リハビリ室』と呼ばれる専用の部屋でリハビリを実施していました。
しかし、飯能老年病センターは患者様の生活の場である病棟内でリハビリを実施し、生活リズムの一部としてリハビリの時間が設けられていました。
より患者様の生活に近い場所で関わりを持てることがとても魅力的でした。
入院生活という日常から離れた生活の中で、日常的にしていることを体験して頂きたい。
「患者様ではなく、目の前のこの人が生活している」ということはどういうことなのかを考えながら日々励んでいます。
作業療法士は相手の生活を考えられる職業だと、先輩方からもお話をしていただきました。
まだまだ思い描いていた自分自身の理想像には遠いですが、これかも一層の努力をしていきたいと思います。