認知症の診断・治療には、様々な分野の専門家の関与が必要です。
このことが認知症を難しい病気にしています。
現在、医療と介護保険は厚生労働省の別々の部署が担当しています。
医療もそれぞれの科ごとに学会があり縦割り構造です。
例えば、精神科であれば「日本精神神経学会」という学会に多くの精神科医は所属しています。(日本精神神経学会のホームページ)
さらに、認知症など高齢者の精神疾患に興味があれば「日本老年精神医学会」という学会に入ります。(日本老年精神医学会のホームページ)
この「日本老年精神医学会」が認定した専門医が「認知症の専門医」と呼ばれています。
一方で、「日本認知症学会」という学会があり、これは神経内科医が多く参加しています。(日本認知症学会のホームページ)
この「日本認知症学会」が認定した専門医も「認知症の専門医」と呼ばれています。
同じ「認知症の専門医」ですが、得意分野が違います。
それぞれが得意分野を生かし密度の高い連携をする必要があります。
医療と介護保険制度との連携も大切です。
医療側の主治医と介護保険側の担当ケアマネージャーとが直接会って、お互いの情報を共有することが重要と考えています。
最近増えている独居の高齢者に対しては主に行政がかかわりますが、これも難しい問題です。
役所の福祉課と地域包括支援センターとの連携がしっかりとれている市町村では、厚生労働省の思惑どおりうまくいっていますが、行政の連携がとれていない市町村ではなかなか難しい状況になっています。
認知症の根源的な問題【認知症の難しさ4】に続きます。
医局Y.M
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