
新しい認知症治療薬、メマリー錠、レミニール錠承認へ【その4】の続きです。
昨年12月に皆様にお知らせした、新しい認知症治療薬
メマリー錠(メマンチン塩酸塩)、
レミニール錠(ガランタミン臭化水素酸塩)
の2剤ですが、その後順調に製造や販売準備作業が進み、
平成23年3月中旬には日本全国の医療機関で処方ができるようになるそうです。
メマンチンは、ガランタミンやドネペジルとは別の作用で認知機能を改善しますので、すでにドネペジル10mgを服用している患者様に追加して服用していただくことも可能な薬です。
ガランタミンはドネペジルと同様の
「アセチルコリンエステラーゼ阻害作用」
に加えて、脳内の神経細胞のニコチン受容体に結合してアセチルコリンの放出を増やしたり、ニコチン受容体の働きを良くする作用も確認されています。
どちらの薬も、日本では約10年ぶりに発売される新しい認知症治療薬で、その効果に期待が高まっています。
一方、アリセプト錠(ドネペジル塩酸塩)ですが、現在23mg錠の安全性の確認作業が行われています。
ドネペジルは、1日1回10mgが現在の最大投与量ですが、23mg錠の安全性が確認されれば、1日1回23mgの処方が可能になります。
薬剤血中濃度の上昇が期待でき、認知機能改善効果もより強くなります。
製薬会社各社が競って認知症治療薬の開発、販売を行おうとする良い意味での競争となっています。
治療手段の選択肢が広がり、治療者側のモチベーションも上がります。
医局Y.M