新しい認知症治療薬、メマリー錠、レミニール錠承認へ【その1】の続きです。
ガランタミンは、脳内の神経伝達物質「アセチルコリン」を分解する酵素「アセチルコリンエステラーゼ」の働きを抑えて、アセチルコリンを増やす作用があります。
アセチルコリンが増えることによって、神経間の伝達がスムーズになり、認知機能を改善する効果が得られます。
このアセチルコリンを増やす作用はドネペジルも持っています。
ガランタミンには、さらに脳内の神経細胞のニコチン受容体に結合してアセチルコリンの放出を増やしたり、ニコチン受容体の働きを良くする作用も確認されています。
メマンチンは、ガランタミンやドネペジルとは別の作用で認知機能を改善します。
脳内の神経細胞の障害は、脳内のグルタミン酸の過剰とその毒性が関係している、
という理論に基づいて開発された薬です。
過剰なグルタミン酸が、脳内の神経細胞のグルタミン酸の受容体であるNMDA受容体に結合することによって、カルシウムイオンが多く神経細胞に流入して神経細胞がダメージを受けたり、神経細胞が死んでしまったりするという理論です。
メマンチンは、脳内の神経細胞のグルタミン酸の受容体であるNMDA受容体に結合して多くのカルシウムイオンが神経細胞に流入することを防ぎ、神経細胞を守ります。
医局Y.M