ページの先頭です

2012年4月23日認知症医療

アルツハイマー病研究会 第13回学術シンポジウム(その1)

 先日(平成24年4月21日)品川で開催されたアルツハイマー病研究会 第13回学術シンポジウムに参加してきました。長谷川和夫先生の特別講演など貴重な講演を聴いてきましたので、印象に残った講演のご報告をいたします。

アルツハイマー病研究会ポスター.jpg

 「認知症の医療介入にエンドポイントはあるのか」国立長寿医療研究センター 鳥羽研二先生の講演でした。鳥羽先生は杏林大学高齢診療科の前教授です。平成18年に杏林大学に「もの忘れセンター」を新設し、センター長を勤めていました。現在は杏林大学では客員教授となっていて、国立長寿医療研究センター病院長をされています。認知症の大家の一人です。

 講演の主旨は「認知症の医療介入のエンドポイントとしては、認知症と診断した時点、抗認知症薬を処方した時点、施設入所となった時点などをエンドポイントとしている医師もいるが、本来は看取りがエンドポイントであるべきで、認知症専門医は診断から治療、看取りまでを切れ目なく介入、支援していくべきだ」というものでした。私が臨床の現場で日々感じていることをまとめていただいたような内容で共感できました。

 「もの忘れ外来」が賑わっていますが、検査をして診断をつけて終わりになっていないでしょうか。かつて河合隼雄先生がおっしゃっていた「患者は物語をもって来院したのに診断名だけをもらって帰る」ということのないようにしていただきたいと思います。幸い飯能老年病センターは外来初診医、再来医、入院主治医がすべて同じ医師が担当するシステムです。初めての出会いからお別れまでの長期間お付き合いさせていただいております。

医局Y.M

アルツハイマー病研究会 第13回学術シンポジウム(その2)

§
§§
ページの先頭へ